つれづれ日記
2002年11月の日記
石川県の吸坂町に由来した「吸坂手」とよばれている磁器があります。独特の錆釉薬のかかった、渋い味わいのある、磁器で、九州の肥前にある楠木谷窯あとから、陶片が出土するまで、加賀古九谷だと思われていたものでした。実は古伊万里であったということが判明した今でも、「吸坂」の名前で通っています。金銀彩が施されたいぶし銀のようなシャープな逸品を手にして、350年前のお大尽になったつもりで、眺めています。(錆釉薬変形小皿 金銀彩)